22,473億円。2026年上半期にNISA成長投資枠対象ファンド(運用期間3年以上)へ純流入した資金のうち、首位となった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」単体が集めた金額だ。オルカンと「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本だけで、上位9ファンドの流入合計額の約3/4を占める集中ぶりが鮮明になっている。

王道インデックスへの資金集中が継続
2026年上半期(1月〜6月)のNISA成長投資枠における投資信託の資金流入動向が明らかになった。純流入額(買付金額から解約金額を差し引いた額)の集計では、定番のインデックスファンドが他を圧倒する圧倒的な存在感を示している。
首位の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が22,473億円を集めたのに続き、2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も11,271億円の純流入を記録した。低コストで広範な銘柄に分散できる両ファンドは、つみたて投資枠と成長投資枠の双方で活用できる利便性もあり、個人投資家からの支持が盤石であることがうかがえる。
多様化する投資テーマと直近リターンの影響
一方で、オルカンやS&P500以外の分野では、テーマ型アクティブファンドやコモディティ、国内株式への資金流出入に多様化の傾向が見られる。

資金流入上位には、3位の「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(2,515億円)をはじめ、米国大型IT株に投資する「iFreeNEXT FANG+インデックス」(1,507億円)、さらには半導体株や宇宙関連株に特化したアクティブファンドが顔を揃えた。
これらのファンドに資金が集まった背景には、過去1年の運用成績の高さが影響したとみられる。「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」の1年リターンは118.52%、「ノムラ・ジャパン・オープン」は83.05%、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」は75.73%という極めて高い数値を記録した。高いパフォーマンスが新規投資家を呼び込む要因となった形だ。
ポートフォリオ構築における意味合い
オルカンやS&P500を軸に据えつつ、別の資産へ分散を図る動きも考察されている。例えば、ゴールド(金)は株式と異なる値動きを示すため、株式中心のポートフォリオにおけるリスク分散としての役割が期待される。
また、オルカンにおける日本株の組入比率はわずか5%程度(2026年6月末時点)にとどまるため、国内株式ファンドを個別に追加することで、為替変動リスクを抑えた円建て資産の補強が可能となる。「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」は5年標準偏差が12.84%とオルカンの14.48%より低く、リスク調整後の効率性を示す5年シャープレシオは1.41と安定した水準を保っている。
リスク管理と今後の注意点
確認すべき側面として、今回のパフォーマンスデータは2026年6月末時点のものであり、7月以降に発生した株式市場の下落局面は含まれていない点が挙げられる。
上半期に高いリターンをあげたテーマ型ファンドや株式インデックスは、値動きの振り幅を示す標準偏差も大きい。市場の調整局面では相応の価格変動が生じるため、単直近のリターンのみならず、リスク特性を十分に理解したうえでの資産配分が求められる。
よくある質問
Q1. NISA成長投資枠で一番買われている投資信託は何ですか?
2026年上半期の純流入額では「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が約2兆2,473億円を集めて第1位となっています。
Q2. S&P500とオルカンだけで資産形成は十分ですか?
両ファンドで十分な分散効果が得られますが、金(ゴールド)などの異資産や、組入比率の低い日本株ファンドを組み合わせることで、さらにリスクを抑えた運用を検討する投資家もいます。
Q3. テーマ型ファンドを選ぶ際の注意点は?
半導体や宇宙関連などのテーマ型ファンドは一時的に高いリターンを出す一方で、標準偏差(値動きの振れ幅)が大きく、市場の調整局面で下落幅が大きくなる傾向があります。
Q4. ゴールド(金)ファンドが買われている理由は?
金価格の上昇実績に加え、株式とは異なる値動きをする資産として、株式中心のポートフォリオに対する分散投資先として選ばれています。
Q5. 2026年上半期の集計データに7月以降の下落は反映されていますか?
SBI証券が公開したデータは2026年6月末時点の数値であり、7月以降の市場調整局面の値動きは含まれていません。
リソース
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