銀座の空を駆ける「緑の遊歩道」へ。廃止されたKK線が魅せる驚きの変貌
2026年4月25日、銀座の街を見下ろす「空中回廊」に、かつてない光景が広がりました。かつて都心を支えた首都高速道路の分かれ道、通称「KK線」のコンクリートの上に、色鮮やかなランニングウェアを着た市民たちが集結したのです。2025年に自動車専用道路としての役目を終えたこの場所は、いま、世界でも稀な空中庭園へと生まれ変わる第一歩を踏み出しています。

コンクリートから市民の憩いの場へ。KK線が辿った軌跡
東京都心を環状に結んでいた東京高速道路(通称KK線)は、首都高速道路のバイパス機能を果たしてきましたが、近隣の地下化事業に伴い、昨年その役割を完全に終えました。かつてはエンジン音が響いていた全長約2キロメートルの空間が、いまや静寂と人々の歓声に包まれています。本日開催された体験イベントでは、都心の高層ビル群を間近に望みながらランニングを楽しむ市民の姿が多く見られました。
単なる「廃道利用」に留まらないのが、今回のプロジェクトの面白いところです。夜には、寝袋に包まれて星空の下で映画を楽しむ「ねぶくろシネマ」が開催されるなど、銀座の真ん中とは思えない贅沢な時間が流れています。特に今回のイベントでは、寝具ブランドの「GOKUMIN」が快眠環境を提供し、都会のど真ん中でアウトドア体験を楽しむという、極めて現代的な試みが行われました。
こうした「空中空間」の活用は、単なるイベントではなく、将来的にニューヨークのハイラインのような「空中庭園」を目指す長期プロジェクトの一環です。「捨てる神あれば拾う神あり」ではありませんが、役目を終えたインフラが、新たな都市の価値として再定義されているのです。
なぜ「高速道路」が公園になるのか? 背景にある都市の再定義

多くの人が「なぜ今さら高速道路を壊さずに活用するのか」と疑問に思うかもしれません。その背景には、東京という都市が直面している「緑の不足」と「ウォーカブル(歩きやすい)な街づくり」への転換があります。銀座周辺は極めて地価が高く、新しく広大な公園を作ることはほぼ不可能です。そこで目をつけたのが、役目を終えた既存インフラの立体利用でした。
かつて車が主役だった高度経済成長期の象徴が、令和の時代に「人のための空間」へとシフトする。これは、環境への負荷を減らしつつ都市の魅力を高める「持続可能な都市再生」の象徴的な事例と言えます。また、このプロジェクトは周辺の商業施設とも密接に連携しており、空中から直接ビルへアクセスできるような動線の確保も計画されています。
現場から聞こえる期待と驚きの声
イベントに参加した人々からは、これまでにない視点での銀座に驚きの声が上がっています。
「毎日通勤で見ていた景色が、自分の足で走ることで全く違って見えました。銀座のビルの高さをこれほどダイレクトに感じたのは初めてです。」
また、イベントを支える企業側も、この特殊な空間に可能性を感じています。今回の寝具提供を行った関係者は、都市型の野外イベントという非日常的な環境こそが、ブランドの新しい体験価値を伝える場になると確信しているようです。
都市の未来像:2030年代に向けた「東京ハイライン」への道

現在行われているのはあくまで一時的なイベントですが、東京都の計画によれば、KK線は今後数年かけて本格的な「常設の歩行者空間」へと整備されていきます。これは単なる公園ではなく、数々のショップやカフェ、そして豊かな緑が共生する、まさに「浮かぶ街」のような存在になる予定です。
私たち市民にとって、これは「移動の手段」だった場所が「滞在の目的」に変わることを意味します。忙しく走り抜けるだけの街だった銀座に、ふと立ち止まって空を見上げる場所ができる。そんな変化が、私たちの生活に心地よい「一服の清涼剤」をもたらしてくれるかもしれません。
これからどうなる?KK線に関するよくある質問
KK線(旧東京高速道路)はもう車で通れないのですか?
はい、2025年をもって自動車専用道路としての役割は終了しており、現在は車で通行することはできません。
今回のような体験イベントは今後も開催されますか?
はい、東京都や運営団体は、本格的な常設化に向けて定期的に実証実験としてのイベントを開催する方針です。最新情報は公式サイトで確認できます。
いつになったら毎日歩けるようになりますか?
現在は限定的なイベント時のみ開放されていますが、2030年代の全線完成を目指して段階的に整備が進められています。
「ねぶくろシネマ」などの夜間イベントは有料ですか?
イベントによって異なります。事前予約制や有料チケットが必要なケースが多いため、主催者の発表を確認することをお勧めします。
なぜ「KK線」と呼ばれているのですか?
運営会社の「東京高速道路株式会社」の略称に由来しています。首都高速とは別の民間会社が運営していたという歴史的背景があります。
リソース
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